「The Fall of the House of Usher/アッシャー家の崩壊」
タイトル観て,ポーだな,って思ったもののポーのことはほとんど何も知らんワタシです.
いやー,面白かった.
いろいろ想像しながら観ていて外しまくった.笑
==== ネタバレしてるョ (間違ってるかもだけど 笑)
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ポーの作品は殆ど読んでないけど,あちこちに関連のエピソードとか,名前とか小物が散りばめられていそうなのはわかった.
だから,そういうのが分かる人はかなり楽しめたのでは.もしくは,,翻案しすぎだろと怒ったのか,,(原作の内容がわからないので,離れ具合もわからない,,)
最初の方で,あー,これ,1エピソードずつ,子どもたちが死んでいくんだろうな,,とわかるので,普通に,次はどんなふうに死ぬんかな(ワクワク),,くらいで観ていられる.仕込まれているネタはわからないけど,まぁ,平凡な視聴者(ワタシ)は,雰囲気だけで十分楽しめる.
オピオイドの話が出てきていて,これに関して,社会的な問題をわかりやすく取り入れているな,,と.そして,クスリ→幻影を見る,,的な流れでよくマッチしていると思った.
さて,,物語のフレームワークは,もう教科書.おっさんの独白(一応,聞く人がいるが)で進む.つまり,信用できない語り手のパターンで,本当のできごとと違う可能性が高い.あたかも実際にあったように見えるものが,おっさんの主観やらなんやらがはいるというパターン.
その頭で観ていくと,かなり早い段階で,あ,マデラインは想像上の人物だな,と思うようになる.ロドリックの別人格だな,ということで.
回想シーンの台所でのロドリック,アナベル,マデラインの会話は不自然に見え,オフィスでのマデラインがいる会話も不自然だ.居なくても成立しそうな場面ばかり.
ということで,どっかで,マデラインはいない,ということがポイントになるはず.
全話観られた方はご承知の通り,,これ,間違い.マデラインは実在した,,笑
途中,マデラインとロドリック以外の人の会話も出てくる.ワタシは,これは,ロドリックが会話している,あるいは,妄想している,と処理されると思っていたが,普通に,マデラインは存在して会話してたわけだ.
ロドリックが,証言録取(デポジション)のときに,裏切って,そのまま逮捕されたあと,台所でマデラインとアナベルが話すシーンがある.あそこはどうやってもロドリックが居ないはずなので,どういうことかなー,とか,いろいろ突拍子もない事を考えてたのだが,,あれは普通のシーンだった,,
あと,壁の中に何があるか,,,最初に出てきたときから,あー,会社のやつ殺して入れてるな,と想像して当たってはいた.
1979年大晦日にバーに現れたとき,人を殺してきたな,という雰囲気は出していたので予想通り.
そこで悪魔?に魅入られて,自分の子供達を犠牲にして,悪魔との取引をしてしまったことがそもそもの原因,と.
あと,外したことは,レノーラは死なない,ということ.レノーラは,その母が浮気してできた子供で,アッシャー家の血は流れていない,というオチだと思っていた.だから,レノーラが悪魔から母親の話を聞かされる,,となったとき,きた,ここやな,,と思ったのだが,,普通に,,死んでた.笑
たしかに,あのいい子までも死ぬほうが,呪いというか悪魔との取引が際立つことは際立つ.
マデラインは,どうやら頭が良くて理系脳,AIの開発もしくは利用を考えていたよう.AIの間違った使い方,という話だったのか,ロジックだけで,人間性を無視しているという話だったのか,,なんとなくそんな象徴かな,と.
テクノロジーに飲み込まれそうな現代への警鐘,,,,かなぁ,,と勘ぐるくらいに最後のエピソードのマデラインの話は説教くさかった.あそこまで詰め込まなくてもなぁ,と.
ゴシックホラーとポーの相性は当然いいだろうから,そのテイストをうまいこと現代劇にもりこんだなぁ,,,と.実在の固有名詞もバンバン出てきて面白かった.